1980年代の第二次AIブームは『エキスパートシステム』が中心でした。人間の専門家の知識をルール化し、AIに診断や推論をさせる試みです。
第二次ブームはエキスパートシステムって聞いたけど、何がエキスパートなの?
エキスパートシステムは、人間の専門家 (エキスパート) の知識をIF-THENルールの形でコンピュータに蓄積し、専門家のように推論させるシステムよ。
代表例は1970年代にスタンフォード大学で開発されたMYCIN(マイシン)。
細菌感染症を診断し、適切な抗生物質を推奨する医療用エキスパートシステムね。
うわぁ、お医者さんの代わりをするAIなんですかぁ!
すごいですぅ…。
MYCINは500件ほどのルールで、専門の医師と同等レベルの診断ができたと言われているわ。
他には化学分野のDENDRALも有名ね。
エキスパートシステムは知識ベースと推論エンジンという2つの部品で構成されるの。
知識ベースに専門家の知識 (ルール) を蓄え、推論エンジンがそれを使って結論を導く、という構造よ。
なるほど、知識と推論を分けて管理するんだね!
そして同時期に日本では1982年から『第五世代コンピュータ』プロジェクトが始まったわ。
政府主導で540億円を投入した野心的な計画で、推論を得意とするコンピュータの開発を目指したの。
しかし1990年代に入ると、エキスパートシステムも壁にぶつかった。
ルールが複雑になりすぎて知識獲得のボトルネックと呼ばれる問題が起きたわ。
知識獲得のボトルネック…?
なんだか難しそうですぅ…。
簡単に言うと『専門家の知識をルール化するのが難しすぎる』という問題ね。
専門家自身が自分の知識を言語化できなかったり、例外や曖昧さを扱えなかったり…。
結果、メンテナンスコストが膨れ上がってしまったのよ。
暗黙知ってやつだよね、言葉にしにくい知識…。
確かに難しそうだなぁ。
それに、ルールベースだから未知のパターンに対応できないというシンボルグラウンディング問題も表面化してきたの。
結局、1990年代には第二次AIの冬が訪れたわ。
ただ、オントロジー (知識の体系的記述) の研究は続いていて、現代のセマンティックウェブや知識グラフに繋がっているわ。
無駄になったわけではないのよ。
ふふっ、知識はちゃんと次の時代に受け継がれてるんですねぇ♪
G検定では『MYCIN・DENDRAL・第五世代コンピュータ』『知識ベースと推論エンジン』『知識獲得のボトルネック』を押さえて!
確認クイズ
スタンフォード大学で開発され、細菌感染症の診断を行うエキスパートシステムはどれか。
- SHRDLU
- MYCIN
- DENDRAL
- ELIZA
こたえを見る
正解: 2. MYCIN
MYCINはスタンフォード大学で1970年代に開発された、細菌感染症診断と抗生物質推奨のエキスパートシステムです。DENDRALは化学分野、SHRDLUは積み木世界の自然言語理解、ELIZAは精神科医を模した対話ボットです。